蟻とキリギリス 人生の選び方

「おい、アリくんたち。そんなに汗をびっしょりかいて、何をしてるんだい?」「これはキリギリスさん、わたしたちは食べ物を運んでいるんですよ」「ふーん。だけど、ここには食べ物がいっぱいあるじゃないか。どうして、いちいち家に食べ物を運ぶんだい。おれみたいに、お腹が空いたらその辺にある食べ物を食べて、あとは楽しく歌を歌ったり、遊んだりしていればいいじゃないか」「でもね。キリギリスさん。今は夏だから食べ物がたくさんあるけど、冬が来たら、ここも食べ物はなくなってしまいますよ。今のうちにたくさんの食べ物を集めておかないと、あとで困りますよ」アリたちがそう言うと、キリギリスはバカにした様に、「ハハハハハハッ」と、笑って。「まだ夏が始まったばかり。冬の事は冬が来てから考えればいいのさ」。。。イソップ寓話のひとつ。

最近ミュージシャンや俳優が2か月収入が無いと暮らせないと訴えている。まあこれは飲食業やその他でも同じだが、このレベルまで行けば暮らしは楽になると頑張っている訳だが、その間、キリギリスさんは飲食、接客業、エキストラ等々で日銭を稼いでいてその日暮らし、しかし、幾らでも職はあると思っていた。蟻さんである飲食業や物販業、サービス業その他は、もっと儲けたいと、取って置かねば成らなかった自己資本を借金に使い店舗拡大に暴走していた。ちょっとイソップ物語が出来た当時の時代背景が違ったようだ。

もっとも今回の武漢肺炎の問題は、私の70年に近い人生でも経験がない事で、まさかこんな事が起きるとは思っていなかった。今までの経済論や金儲け論をもう一度根底から考え直さないと行けない、まあ人類の危機である。戦後の焼け野原は1から作り上げる想像がつくが、建物と借金が残された都会砂漠をどう新しい論理で作り直すのか、これは命題である。

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