「一見(いちげん)さんお断り」について考える。

京都の飲食店を語るとき、耳にするのが「一見(いちげん)さんお断り」。人を寄せ付けない、冷たい印象を持つ人が多いようですが……。

「そんなに格式を重んじていたのでは、お客を失い先細りしていくのではないかと思われるかもしれません。こういうしきたりが続いているのには、それなりの理由があるのです。信頼関係にもとづく長いお付き合いをしていくためです。京都花街では、お座敷にあがられたお客様から、その日にお支払いいただくことはありません。」

「経費はお茶屋が立て替え、後日精算いただくようになっています。お茶屋経由で2次会に行かれたなら、その支払いも移動のタクシー代もすべてお茶屋に請求がくるようになっています。お客様は財布を持っていなくても大丈夫なのです。お客様への請求はお客様への請求は数ヵ月後(場合によっては半年)ということもあります。」最近は月締めのところが多くなったようだが、長期掛け払いという京都花街の慣行は、かなりの信頼関係がなければ成立しない。信頼関係は昨日今日知り合ってすぐに生まれるものではない。これが、一見さんをお断りするおおきな理由なのだという。「ちなみに、仮に、どなたかご紹介者があってお座敷にあがられるようになったかたが、万が一、お茶屋からの請求を踏み倒したならば、その責任を紹介者が負われて、支払いを肩代わりされることもあるそうです。参考書籍『京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと』(すばる舎)

これが昨年暮れに、京都の重鎮に連れられて行った「お茶屋・駒屋」で舞妓さんの踊りやお遊びを楽しみましたが、そこの女将とこの「一見(いちげん)さんお断り」について少し話をしましたが、東京の赤坂、新橋、神楽坂や向島では「一見(いちげん)さんお断り」の一見さんの範囲の曖昧化が進み、支払いもその場でのクレジットカードや現金払いまで出来る料亭も増えている。言わばメニュー化が進んでいる。言わば昔のこうした銘家からお金を稼ぐ人が変化し、昔の料亭のお客さんに成るべき人が高級クラブにお金を使っている現状から、料亭も仕方ない「一見(いちげん)さんお断り」と言えなくなったという事なのであろう。

しかし、舞妓約80名、芸妓約200名の京都花柳界。女将はきっぱりと「一見(いちげん)さんお断り」はまだ続けると言われた。それが出来る京都がバランスある発展をしているのだろう。やはり、京都の「一見(いちげん)さんお断り」はそのまま継続出来る事を望むしかない。そしてある日、一見(いちげん)さんでは無くなる自分を考えて行こう。

帰る時「花名刺」(最近の花名刺はカラフルだ)と5円玉が入った御縁を貰った。ホテルまでのタクシーは支払いを既に貰っていると拒否された(笑)。最も40年前、昔新橋芸者であった小唄のお師匠が言っていた。私の旦那が、今まではハイヤーで送ってくれていたが、ある日タクシーで送ってくれたの、それで私も芸者を辞める決心をした。とね。

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