フィリピン・ビジネス 私の大失敗例

いや私もフィリピンでビジネスを乗り切って来たつもりですが、良いと思って始めた中で失敗した事が幾つかあります。その中の一例。

98%のフィリピン人は低所得者。1日の食費が300円以下しか使えない大衆を対象に何か美味しいものを提供したい。提供すればみんなが喜ぶという発想は誰しも思う事だと思います。私もそう思った事がありました。

焼き鳥忍者という屋号で、タギグの安いエリアにセントラルキッチンを作り、マカチィのやはり安い地域にデリバリーセンターを作り始めたこの商売。借りたデリバリーセンターの2階3階をベットスペースと言う遠い処から通うのでは交通費や混雑があるので、市内で二段ベットの一つを借りて協同で住む、マカチィで1ベットの家賃は2千五百ペソ程度を作り、そのあがりで1階店舗部分の家賃を無料化する方式の安全策を取ってスタートしました。それを市内に同じ方式で展開しようと考えていた。コールセンターのカンティーンとの契約も出来たのですが。

しかし残念な事に2年後に全面撤退。理由は実に簡単な理由でした。売っていたものは皆に喜ばれていたので問題は無かったし、価格も問題なかった。

問題はやはり低所得者の給与の低さだ。35ペソ(70円)を100個売っても3500ペソ(7000円)まあ最低でも200個は売ると考えたので、1日に14000円、半分原価で7000円の収入から販売経費の2000円の二人分の人件費と考えて、5000円儲けで何店舗かと思って始めたのですが、違った。 やはり日本のイメージではここでは商売にならない。普通日本のイメージでは美味しいものが近所に出来たら、少し遠くても行く、また通りかかったら、仲間の分も幾つか買う。というのはフィリピンでは、それもフィリピン最大の都市の中心でも妄想でしかなかったのです。

何しろポケットの中に金が無い。下手すると翌日行く仕事場への交通費もない。この第一店舗目はジプニーの集積所の前にあったので、朝にはジプニーに乗る行列が出来る。そんな場所でも人にゆとりが無い。家賃をタダにしたのでそれでも持ちこたえていたが、そのベットスペースの入居者はコールセンターや会計事務所で働く女性たちだったが、家賃も田舎のお母さんが病気で、今月は待って欲しいとか、様々な理由で遅配され、私のビジネスモットーは自分の給与はもう忘れて、1か月でも損益が赤に成った場合は、即撤退という理念から、これは行けると思ってスタートしたビジネスモデルは無残にも2年で幕を下した。まあ街で見かける飲料水のガロン売りも一般では25ペソ、BGCは50ペソだが、見ていると入れ替わりが激しい。BGCの内の近所のミニストップは2年前にオープンで、今は店を閉めている。やはり日本の大衆は少なくとも1000円はすぐに払えるが、フィリピンの大衆は100円払わせるのも大変である事を思い知らされた。


munetomo.club 棟朝淳州

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